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2023年3月22日

新規事業ってなに?新規事業を成功させるポイントを解説

経営基盤をより強固にするために新規事業立ち上げの必要性を感じているが、どのような手順を踏めばよいかわからない、といった悩みは多いです。この記事では新規事業の概要や成功させるポイントについて解説します。新規事業の立ち上げを検討する際はぜひ参考にしてみてください。

1. 新規事業とは?

1-1. 新規事業の定義について

新規事業は新たにスタートさせるビジネスのことです。業界問わず企業は何かしらの事業をおこなっていますが、今後も厳しい競争社会を生き抜くために、常に収益拡大のチャンスや新しい収益の柱を構築するための努力が必要になります。新規事業を構築する際は、新しい商品の開発・新しい市場の発掘・新しいビジネスモデルの構築のいずれか、もしくはすべてに取り組み新規事業として立ち上げることになります。
たとえば、商品の卸業者が自社ECを開発し、リアルだけでなくネットでも販売し新たな収益を得られるようになれば、新たな市場を発掘したため、新規事業を立ち上げたことになります。

1-2. 新商品開発との違いは

新商品の開発は、事業を構築したわけではないから新規事業に当たらないのではと疑問に思う方も多いようですが、新商品開発も新規事業のひとつです。新規事業は、新しい商品・新しい市場・新しいビジネスモデルのいずれかを採用してビジネスを始めることだからです。
たとえば新商品を開発し、既存の市場で販売をした場合、商品の品揃えを拡充したことでリピーター獲得や顧客の定着化につながるため、収益を向上させることになります。新商品開発は収益拡大を目的に実施するため、新規事業のひとつといえます。

 

2. 新規事業はなぜ必要なのか

2-1. 製品ライフサイクルの短縮化のため

インターネットが普及し、世界中の情報へ瞬時にアクセスできるようになった現代では、
製品のライフサイクルが短縮化している傾向があります。スマホやノートPCは毎年最新技術が搭載された新商品が出ており、去年使っていたもの、半年前に使っていたものはすぐに古い商品となってしまいます。情報収集力が高まったことで人々の関心は即座に新しい情報・商品へと移り変わるため、企業が持続的な成長をするには新規事業の立ち上げが欠かせません。

2-2. 企業存続のため

事業は創業・成長・成熟・衰退のサイクルの上に成り立っており、同じビジネスが未来永劫続くことはありません。業務のデジタル化で人がおこなっていた仕事をツールやマシーンが代わりに担うように、時代の流れによって失われる産業もあります。何もしないで既存のビジネスにあぐらをかいていればいつか事業は衰退に向かいますが、時代に合わせて新規事業を起こすことで、息の長い企業に育てることが可能になります。企業存続のために新規事業の構築が必要です。

 

3. 新規事業を進めるメリット

3-1. 既存事業に代わる収益の可能性

新規事業は新たな収益源を構築するための取り組みです。収益の柱を増やすことで、資金的に安定した経営ができますし、既存事業に代わる収益源となる可能性も秘めています。新規事業から得られた収益は他の事業に再投資して拡大させることに使用できますし、利益を会社により多く蓄積させることも可能です。

3-2. 人材の育成につながる

新規事業を立ち上げ、軌道に乗せるには実施するべきプロセスがたくさんあります。普段の業務からでは得られない多くの経験を積めるため、人材育成の場としての価値もあります。新規事業は今後の企業を支える人材育成の手段になります。

 

4. 新規事業を成功させるポイントとアイディアの出し方

4-1. 顧客の抱える課題の把握をする

新規事業を成功に導くには、市場のニーズを掴むために顧客の抱える課題を把握することから始めます。顧客の課題を把握するためには、顧客の声に耳を傾け、顧客の行動パターンを分析することが効果的です。顧客の声を聞くには直接アンケートを取るのがよいでしょう。
アンケートなら顧客の属性(性別や年齢などの情報)を把握できるため、自社の商品やサービスの顧客層に対して知りたい情報を聞き出すことが可能です。定期的にアンケートを取ることで、顧客の変化を敏感に察知できるようになります。
また、顧客のニーズは行動パターンからも読み取れます。分析方法の例のひとつにRFM分析があります。顧客の直近の購入日・利用頻度・金額の大きさを指標に顧客をカテゴリー分けすることで、動きのない顧客やファンになってくれている顧客を整理でき、顧客に対してオーダーメイドに近い広告宣伝を実施できるようになります。

4-2. 競合他社の成功事例の分析をする

新規事業の成功確率を高めるためには、すでに成功している事例に習うことが近道になります。競合他社がすでに自社でやろうとしている事業から結果を出している場合、結果を出している競合他社の事業を細かく分析することで、自社の強みを活かした新規事業の戦略を構築できます。
手順としては、競合する事業の把握・事業概要の作成・競合商品についての情報整理・競合商品の販売手法や販売ルートの調査・自社と競合他社の市場での位置付け・自社の強みと弱みの整理・具体的な戦略の立案です。事業を立ち上げる前に、どれだけ入念に調査できるかが成功のカギとなります。

4-3. 既存事業の問題点や業務の洗い出しをする

新規事業は、前例のないまったく新しいビジネスを始めることではありません。既存事業の問題点を洗い出し、課題を解決するような商品やサービスを提供することも新規事業です。既存事業の問題点を探るには、経営資金・社員の成績・組織状況・業務フローといった観点で事業を評価していきます。いずれにおいても課題を発見しやすいように、数値などで「見える化」することが大切です。
資金についてはお金の流れを見える化し、社員の成績については生産性の推移を見える化します。組織状況については組織図などを制作することで、人員の偏りなどを把握するのに役立ちます。業務フローについては昔からの慣習が無駄の原因になることもあるため、比較的見直しがしやすい項目のはずです。

4-4. 市場の成長・成熟度の見極めをする

新規事業を立ち上げ成功するためには、参入する市場の後押しが不可欠になります。成長産業であれば時代の流れに乗れますが、成熟産業の場合は自力だけで市場を開拓していく必要があります。市場の状況については経済産業省や財務省など官公庁が作成している統計資料や、各業界団体が提供している市場動向についての調査資料、リサーチ専門会社が有料で提供している統計データなどを利用して確認します。

4-5. ビジョンの明確化と社内共有をする

新しいビジネスを立ち上げる際は、関係者が一体となって活動することが大切です。経営陣が新規事業で成し遂げたいことをビジョンとして掲げ、組織全体に浸透させる必要があります。まずはビジョンが現実可能なものであると納得できるように、具体的な戦略を立案し、事業の中核となるコアバリューを固め、経営陣の熱量を言語化することで従業員に本気度を共有します。
ビジョンの共有は一朝一夕にはかなわないため、中長期的な目線でビジョンマネジメントをおこないましょう。経営陣から一方的な考えを伝えるだけでなく、研修やセミナーなどを通じて従業員の理解力を高めながら共有していくことが大切です。

4-6. 新たな付加価値がないかを考える

新しい商品や新しいサービスを展開する際は、顧客に自社商品・サービスの独自性に気づいてもらい、価値を感じてもらうことが認知や購入に行き着くために必要になります。付加価値の種類としては、商品のスペックや素材の良さなどを示す機能的価値、商品やサービスを利用することで得られる感動や体験などの感情的価値、商品を所有することで自分らしさを表現できる自己表現的価値があります。
他社と差別化ができ、かつ顧客満足度を高められる価値としては感情的価値や自己表現的価値になるため、自社の商品でこれらの価値を提供できるかはよくチェックする必要があります。

4-7. 人材育成に力を入れる

新規事業をできるだけ早く軌道に乗せるためには、事業を担う人材のスキルの底上げをおこない、できるだけ効率的に無駄なく業務を進めていく必要があります。人材育成の方法としては、現場で経験や知識を学ぶOJTと、現場から離れて座学などで体系的なスキルを学ぶOff-JTがあります。
OJTでは上司や先輩が指導役となり、現場ですぐに使える知識やスキルを直接指導できます。Off-JTでは現場で学べないスキルを身につける目的で、社内外での研修や自主学習のためのEラーニングがおこなわれます。両者の育成方法をバランス良く取り入れることで効果的な育成が可能になります。

 

5. 新規事業を立ち上げるタイミングは?

5-1. 創業期

創業期は新規事業を立ち上げるのには適していない時期になります。なぜなら、創業期は既存事業の成長段階にあるため、他の事業に人や資金などのリソースを割いてしまうと、まだ軌道に乗っていない本業の進行に支障が出てしまう恐れがあるからです。事業が安定に向かっている段階である創業期には、リスクのある新規事業を検討するよりも、成功確度の高い既存事業に集中したほうがより早く事業を安定させられるはずです。

5-2. 成長期

成長期は新規事業の立ち上げのタイミングとして適しているといえます。成長期は既存事業が軌道に乗り経営陣が四六時中見守っていなくても、ある程度現場だけでビジネスが回るようになっているからです。資金や人手のリソースがあり、たとえ新規事業がうまくいかなかったとしても、ある程度の損失はカバーできる余裕があるため、新規事業を始めるよいタイミングといえます。

5-3. 成熟期

成熟期も成長期と同様に新規事業を始めるのに適している時期です。成熟期は既存事業にノウハウと経験が蓄積されているため、経営も安定しており既存事業で培った経験を新規事業にそのまま活かすことも可能だからです。既存事業のノウハウで少し市場をずらして横展開させるだけでも新規事業といえるため、新たに始める事業を精度高く成功に導けるはずです。

5-4. 衰退期

衰退期に突入している場合は新規事業を始めるのに適していません。人的リソースや資金的リソースが弱まっているのが衰退期であるため、新規事業を立ち上げても十分なリソースを割けない恐れがあります。既存事業がすでに弱くなっているため、これまで培ってきたノウハウや経験が時代遅れになっていることも考えられます。そのような状態で新たに事業を立ち上げても、確度高く成功に導くことは難しいといえます。事業を立ち上げるタイミングを逃しているため、失敗のリスクは大きく、そうなれば既存事業が抱える負担も増してしまいます。

 

6. 新規事業が黒字化するのにはどのくらいかかる?

新規事業が黒字化するのは3〜5年といわれており、投資資金を回収するにはさらに5〜10年かかるのが一般的な数値となっています。新規事業を立ち上げたからといってすぐに収益につながるわけではないため、ある程度の資金的な体力があることを把握しておく必要があります。また、黒字化するまでの年月を計算するとともに、撤退を判断する基準も同時に検討しておく必要があります。

 

7. 新規事業がうまくいかない場合の撤退判断基準

新規事業が軌道に乗るには時間がかかり、必ず成功するわけではありません。事業成功のために掲げた目標の達成率と、現状を踏まえた将来性があるかどうかが撤退を判断する基準となります。
たとえば事業を軌道に乗せるための最終ゴールに対して、定期的な進捗を確認する中間ゴールに期日までに到達できていない場合、達成率が低いため、将来性が厳しく撤退が近づいていると判断されます。基準は目標だけでなく、投資回収率や市場の推移、さらには競合の状況など多角的な観点から評価します。

 

8. まとめ

新規事業の概要や成功させるために必要なポイントについて解説しました。新規事業は新たな収益源として既存事業との相乗効果を期待できますが、成功の確度を高めるためには入念な調査と準備が必要です。この記事でご紹介したポイントが、新規事業を検討する際のサポートになれば幸いです。

 

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